_ アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞したラトビア映画。
_ 黒猫が主人公で、一切セリフがない。人間も登場しない。
_ 洪水に襲われた世界のようで、さらに水かさが増して都市を沈める。その都市も「猿の惑星」のNYではなく、古代ギリシャかローマ風の建物が並ぶ。
_ 黒猫は、流れてきた船に乗り込み、先住者のカピバラや、キツネザル、ヘビ食いどり、犬たちと旅をする。やがて、仲間意識が生まれ、助け合うようになる。
_ というような暖かい物語だが、違和感がある。連中は捕食をしない。肉食を思われるものもいるが、そのような場面はない。唯一の例外は、黒猫が海の中から獲ってきた魚だ。黒猫は器用に魚を獲り甲板に並べる。変なのは、魚が動かないことだ。釣った魚は、普通飛びはねるだろう。その魚を、ほかの仲間が食べる。
_ 登場する動物の動きは自然で、よくできている。しかし、連中の行動は人間的である。船に乗り合わせた人間が飢えても共食いしないように、動物たちもケンカはしても食おうとはしない。そして、仲間の危機に際しては協力して助ける。
_ 結局ディズニー映画なのだ。
_ 魚の扱いが違うのはなぜか。哺乳類は助け合うべきだが、魚は食ってもいいということか。動物愛の西洋の連中が、鯨やイルカの漁を非難するが、ほかの水中生物にはそのような感情を抱かない。
_ 第77回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。第97回アカデミー賞5部門受賞。
_ 面白かった。
_ アノーラは娼婦で、ロシアの大富豪のバカ息子に気に入られ、ラスベガスで結婚する。ここまでの展開は、予想の範囲内で少し退屈した。しかし、これを知った両親がロシアからプライベートジェットでやってくることになり、それまでの間富豪の手下が二人を確保しようとする。バカ息子は脱失するが、アノーラは捕らえられる。
_ ふてぶてしいが純情なところもあるアノーラをマイキー・マディソンが熱演。
_ 昔の「プリティウーマン」とは違い、結局ラスベガスの裁判所で離婚することになるが(ラスベガスでの結婚はラスベガスに行かなければ離婚できないそうだ!)、それまでの間、アノーラはロシア人を罵倒し、絶叫し、大あばれする。ロシア人との間に、fuck fucking という言葉が、飛び交い、時々ロシア語が混じる。アノーラはロシア系だ。
_ 結構シリアスな話だが、随所に笑いが起きる。日本で、アノーラの役をできるとしたら、河合優実ぐらいか。
_ よくわからない映画。
_ 沖縄のガマ(退避壕)で語り部が、沖縄戦での悲劇について語る場面が印象的で、反戦映画かと思えるが、それは映画の一部で、あとの大部分はどのようなメッセージを伝えたいのか不明。
_ 冒頭は、主人公の女性が、朝起きて、トイレに行き、カーテンを開け、鍋に湯を沸かし、小松菜を洗い、茎と葉を分けて切り、玉ねぎをスライスして鍋に入れ、時間をおいて小松菜を入れる。料理番組ではないので何を伝えたいのかわからない。
_ 後半、同じ女性が、長々と、ヨガのような体操をする場面があるが、これも分からない。
_ 映画にはメッセージは必要ではないが、それでも伝えたい何かがないと作品にはならない。
_ でも、退屈することなく観た。音響がよく、特に、上空を飛行するジェット機の音はすさまじく、印象に残っている。