_ 面白かった。
_ 想像したような、現在のアメリカの分断の先にある戦争の映画ではなく、もっと深い話。
_ アメリカは3期目の大統領が治めていて、それにカルフォルニア州とテキサス州の連合(WF)が反乱を起こしワシントンDCに迫っている。大統領が生きているうちにインタビューを取ろうとジャーナリストやカメラマン4人が車でDCに向かう。
_ カルフォルニア州とテキサス州が連合するというところから、現実の延長線上にはない世界だ。旅の途中でも、誰と戦っているのかわからないで銃を撃ちまくっている連中がいる。初めて銃撃戦を目撃した、戦場カメラマン志願のジェシーは、こんな怖いことは初めてだがこんなに生きていると感じたのも初めてだという。
_ 物語は現実的ではないが、戦闘場面はリアルで、IMAXで観たので音がすごかった。
_ 反乱軍はホワイトハウスに乱入し、大統領を捕獲する。ジャーナリストは、大統領に何か言うことはないかと聞く。大統領は殺さないでくれと懇願するが、女性兵士に撃ち殺される。ジェシーは大統領の死骸の上でポーズをとる反乱軍の兵士の写真を撮る。
_ ガーランド監督が言いたいのは、戦争が人間を変えるのではなく、戦争は人間の本質だということだろう。
_ まあ面白かった。
_ ジョーカーの続編で、ジョーカーことアーサーは医療刑務所の中にいる。そこでレディ・ガガ演ずるリーと知りあう。彼女も正常ではなく、二人の狂気が接触しミュージカルになる。そこらへんが理解できないとついていけない。
_ 舞台は、ほとんどが刑務所と法廷であまり変化がない。新たな殺人もない。面白かったのは、法廷の証人尋問がライブでテレビ中継され、街中でも刑務所の中でも見ることができる。アメリカの刑事訴訟は経験がないが、州によってはこのようなことがあるのかもしれない。ちなみに、舞台は架空の街(ゴッサムシティ)で1981年。
_ 日本の法廷では、テレビ中継はおろか、メモを取ることも禁止されている。憲法上裁判は公開されることが原則だが、実際は、少数の傍聴人しか見ることができない。その結果、多くの場合、日本では犯人が逮捕されるまでは報道されるが、裁判の経緯はほとんど知ることができない。
_ 今日の朝刊に、2019年3月に家裁で妻を刺殺した男が心神喪失で無罪になったという記事が載っていた。妄想や幻聴の影響だという。高裁の判決なのでこれで終わりで、この男は精神病院に送られるのだろう。そしてその後どうなったかは誰も知ることができない。