_ 面白いが、かなりグロかった。
_ エラは、著名なストップモーション映画のクリエータである母の助手として作品の製作にかかわっていた。母が亡くなったあと、その製作を自分の手で完成させようとするが、うまくいかない。そこに、謎の少女が現れ、途中までできていた作品を観てつまらないと言い、自分の案を採用するように促す。エラは、自分の才能を信じられなかったので、少女の提案を受け入れる。その提案は、不気味なもので、やがって、作品の世界と現実世界が混同して悲劇が起きる。
_ オープンAIのサム・アルトマンが来日していて、孫正義と一緒に石破首相に会った。アルトマンの予想では、人工超知能(ASI)が実現するのは2035年であると。そのようなASIができたら人間はどのように変わるか。この映画から未来を類推することができる。
_ ASIは人間の1万倍以上の知能を有する。そのようなASIと会話すれば、人間は、自分の限界を認識せざるを得ない。ASIがある提案を人間にすれば、人間はそれに反論し提案を拒否することはできないだろう。自分の才能に自信を持てないエバが少女の提案に不信感を持ちながら従ってしまうのと同じだ。
_ AIが人類を滅ぼすには、核兵器を使うとか、人間同士を戦わせるとか、乱暴な方法を使用する必要はない。人間に自信を失わせ、自分の頭で考えても仕方ないと思わせれば十分なのだ。そうすれば、人間は勝手に衰退する。
_ 100年後の地球は、痴呆状態の人類をしり目に、さらに進化した機械文明が繁栄しているだろう。
_ つまらなかった。
_ このドラマは好きで、大部分観ていて、2回観たものもある。2回目も面白い。
_ だから、今回もそのレベルを維持すればそこそこ面白い映画ができたはずなのだ。
_ 映画界でよく言われることだが、低予算で秀作を作る監督に何億もの製作資金を与えると失敗作を作ると。
_ 今回は、ドラマの初の劇映画化で、テレビ東京の60周年記念作品で、松重豊の初監督作品だ。当然力が入って、ストーリーを派手にして、海外ロケを増やし、人気俳優を共演させる。それが、全部裏目に出た。
_ 興行成績は悪いようだ。松重は、この映画に出資もしているとのことだ。これから大変だろう。
_ この映画がヒットしないことは映画関係者でなくても予想できたはずだ。しかし、松重は、興収10億行かなければこのシリーズから抜けると宣言した。誰か裏に松重を惑わせた人間がいそうだ。
_ スペインのペドロ・アルモドバル監督作品。
_ 小説家であるマーサは、昔の親友イングリッドが末期がんであることを知り、見舞いに行ったが、あることを頼まれる。それは、自分は治療を拒否して死にたいと思うが、その時、マーサに隣の部屋にいてほしいというもの。二人は、森の中の瀟洒な家で最後の時間を過ごすことになる。
_ マーサも戦場ジャーナリストだったイングリッドも、裕福なようで、森の中の家は小さなホテルのようでプールまである。都会での生活も美術品に囲まれ、ゴージャスだ。
_ ここで描かれている死は、市井のみじめったらしいそれではなく、人生のフィナーレなのだ。イングリッドは自ら手に入れた毒薬で死ぬが、死に顔は眠っているようだった。実際はそんなわけはないだろう。これは、リアリティのない、あらまほしき死だ。
_ おかしな話だが、我々は、現代の死が、苦痛を長引かせる拷問のようなものだと知っている。医療の進歩がそれをもたらしている。しかし、自分だけはそのような一般的な苦痛に満ちた死ではなく、眠るような死に値すると思っている。
_ 誰もが、死を免れない。そして、現代の死は、9割が苦痛に満ちたものだ。そして、その苦痛から逃れようとしたときには、すでに自殺する体力がなくなっている。
_ そのようなみじめな最期を回避するためには、体力気力があるうちに死ぬべきなのだ。思想家西部邁は2018年に自殺したが、老齢で身体の自由が利かなくなっていて、自分の弟子二人に手伝ってもらって入水自殺を遂げた。二人は自殺ほう助で逮捕され執行猶予付きの判決を受けた。
_ 死は、人間に与えられた最後の自由のはずだ。