_ 原題は THE ACCOUNTANT。会計士が主人公で、作品の内容が会計士であることを必要としているのでコンサルタントはない。
_ 会計士は裏世界のクライアントを持ち、格闘技も銃器の扱いもすごい。しかし彼は高機能自閉症を患っている。
_ 子供の頃いじめられている彼に対して軍人の父親は、奴らは今はお前のことをおかしな奴と思っているだけだが、やがて異物を排除するようにお前を抹殺しようとする。その時お前は自分で自分の身を守らなければならない、と言った。
_ 父親は世界中の専門家の力を借りて息子を最強の戦士に育てる。
_ この考え方はよくわかる。
_ 私も子供のころから青年期にかけて、やがて他人がみな自分の敵になり自分を抹殺しにくるという恐怖を感じていた。
_ だから武術を身に着けようと思ったりしたが全く才能がなかった。銃にも興味をもって、エアーライフルを買って同好会に入って街の射撃場に行ったりした。でも韓国製の銃はすぐ壊れてしまって、警察にもっていって廃棄してもらった。
_ そんなわけでこの主人公には親近感と憧れを抱く。
_ 個人的な共感を別にこの映画は傑作だ。脚本がしっかりしていて多くの伏線に回答が用意されている。最後に意外な秘密が暴露される。
_ 「荒野の七人」のリメイクで、従って「七人の侍」のリメイクでもある。
_ なかなかよくできていて、特に戦闘シーンは迫力があった。しかし、七人のサムライが村人のために集まってくる動機がはっきりとせず、なんとなく戦いが始まってしまうように感じる。この点は「七人の侍」ぐらいの長尺の映画でないと描けないのだろう。
_ この映画の製作は「ドキュメンタリー」に掲載している「「七人の侍」日米訴訟合戦」に書いた和解契約の条件に従っている。和解の結果リメイク権は分割され、西部劇は基本的にアメリカ側が製作権を持っている。