_ 映画を2回観て、漫画を4巻まで読んだ。
_ 想像以上に漫画に忠実な映画で、いいと思ったセリフや言葉は皆漫画の中にあった。
_ 大崎ナナの中島美嘉ははまり役で、他をもって替え難い。小松奈々(ハチ)の宮崎あおいは、ミスキャストという人もいるが、私は良いと思った。むしろ、宮崎の演技力があったから、あれだけ原作に近い人物像が描けたのではないか。宮崎もプロモーションDVDの中で言っていたが、ハチのような普通の女の子は演じにくいのかもしれない。ナナの視点が動かないのに対してハチの視点は揺れ動く。ささいなことで気分は天国と地獄の間を行ったり来たりし、自分が何を求めているのかも定かでない。そんな普通の女の子を宮崎あおいは等身大で演じている。ハチの普通さがあるから、ナナの個性が引き立つのだ。
_ この作品は、パンクロックや様々な都会的風景を映しているが、その本質は演歌的だ。男を追って、北国の女が東京に出ていく。女を動かす情念は意地と未練。徹底した個人主義者桃子、を描いた(こんな人物は日本映画にこれまでなかった)「下妻物語」とは180度違う映画なのかもしれない。