_ 「アメリカン・ヒーロー」以来のクリント・イーストウッドの作品。
_ ハドソン川に不時着したUSエアウェイズの旅客機の話。機長は当初英雄扱いされたが、事故調査委員会でラグアディア空港に引き返すことができたのではないかと疑問が呈せられた。法廷劇のように理屈で結論が導き出される。96分の短い上映時間だが充実している。
_ 前作もヒーローを描いたものだが、前回のスナイパーはカッコつきのヒーローだった。今回は昔の西部劇のヒーローのように素朴で裏表ない人間が主人公だ。機長のサリーは「硫黄島からの手紙」の栗林中将のように職務に忠実なプロとして描かれている。
_ サリーに過失がないことが証明されたあと、事故調査の公聴会で副操縦士が、あなたが機長だったら何か違うことをしたか、と訊かれる。彼は、自分だったら7月に着水したと思う、と答え笑いを誘う。実際の事故が起きたのは1月15日だった。
_ ニューヨークの冬は何回か体験してるが本当に寒い。海に落ちた人も何人かいたようだが、乗客・乗務員全員助かったのはやはり奇跡と言うべきだろう。