_ すぐキレル女とすぐ謝る男の話。面白かった。
_ 一見おとなしくこぎれいな女が実は乱暴でだらしなく自分勝手なことはある。そして、このような女を好きになる男は意外と多くいる。
_ 河合優実演じるカナはやさしい元カレを捨てて自称クリエータの男を選ぶ。元カレはカナに戻ってくれと泣きながら懇願するが、カナは冷たくあしらう。カナは新しい男にも切れて殴り掛かる。それでもその男は自分が悪いという。
_ 北野武の作品だったら男は女を殴っていただろう。山中瑤子監督の描く男は、女の言い分が理不尽でも自分の非を認め謝る。カナは男社会に反抗しているように見えるが、相手方の反応は緩い。カナの怒りは空回りする。カナは自分が躁うつ病ではないかと心療内科の医師に聞く。病名がわかればカナは少なくとも自分が何者であるかわかる。しかし病名はつかない。
_ ナミビアの砂漠は、カナがスマホで観ている動画のことだ。砂漠の中に小さな水飲み場がありそこに動物たちが入れ替わりやってきて水を飲む。では、砂漠は不毛な現代社会を象徴しているのか。
_ 砂漠であれば、そして水飲み場があれば、問題と解決方法はわかる。現代社会はそれほど簡単ではない。